2020-2021年度、北九州市は、特に工業地帯の環境改善におけるリーダー的な役割を担う都市として、東アジアの文化都市に選定されました。これを機に、国連で掲げられた、SDGs(17つの持続可能な開発目標のゴール)を表現する芸術祭が企画され、アート・ディレクター南條史生氏が選んだ、27人のアーティストが、市内の美術館、歴史的地区、広場、公園などに作品を発表しました。このイベントは、当初は、2020年開幕予定でしたが、ようやく2021年4月29日から11日間開催の運びとなりました。
石井リーサ明理は、光と音のアート作品「Light X(ライト・クロス)」を、日本で最初に建設された製鉄所である八幡製鉄所跡地「東田第一高炉」に展開しました。北九州の古代から工業化までの歴史だけでなく、環境への取り組みを牽引する様やこれからの未来について表現しています。作品は、5章立てで、地球の生物多様性から始まり、文明の黎明期、技術の目ざましい発展、公害との戦い、そして、SDGsを象徴する17つの色を使って終章を迎えます。この作品のために、I.C.O.N.ミュージック・レーベルがオリジナル・サウンドを作曲し、光の効果を高めています。
コロナ禍により、イベント準備の遅れがあったり、石井が現地に伺えなかったりというハプニングがありつつも、事前の綿密なロケハンと、様々な遠隔システムを駆使したおかげで、リモート調整ができ、現地だけでなく、ウェブ上でも作品を公開することができました。
クライアント
: 北九州市
期間
: 2021
総工費
: 1000万¥
面積
: 1600 m2