芦屋の自邸の庭をライトアップして欲しいとの依頼があり、すぐに現地へ足を運びました。まだ建設工事が始まったばかりで雑木林の状態でしたが、なるべく赤松を残すよう設計しているというだけあって、見事な樹形の松が点在しているのが印象的でした。ひっそりとした森に囲まれた住宅地には、煌々としたライトアップは似合いません。松の枝振りのみを引き立てる一点集中型の手法を思いつきました。周囲の低木はその漏れ光で充分すぎるほど闇に浮かび上がらせることができます。屋外照明は自動点灯し、22時には明るさが半減、深夜には消灯するよう設定され、自然のリズムに寄り添うようになっています。施主は帰宅すると家の明かりを消して、庭を眺めリラックスするようになったと聞きます。癒しの光が実現できました。