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美術館

ポンピドー
センター・メス

フランス - 2010

  IES Award of Merit
メス

ポンピドー
センター・メス

ポンピドー・センター・メスは、フランスにとって国家的プロジェクトと言われ、文化地方分権政策において大切な意味合いを持っており、国際コンペで建築案が募集される段階から、このプロジェクトは公開され人々の関心を引いていました。自分の事務所を設立したばかりだったので、そんな大規模プロジェクトにお声が掛かるわけもなく、興味本位からコンペ結果を展示する展覧会に足を運びました。そこで目にした坂茂+ジャン・ド・ガティンによる当選案は、大胆な木構造の屋根がフワリとギャラリーを包み、冠雪したように白い布が屋根全体を覆うという、見たことのない軽さと透明性を秘めた、魅力的な作品でした。一目見て「この建築に光を当てたい!」と思ったのです。独立したては暇なもの。夢中で夜景パースを作って、建築に一目惚れしたの時に思い描いたライトアップを絵にしました。それからダメもとで坂事務所に電話アタック。すると、なんと超多忙なご本人に電話が繋がり「はじめまして。ちょうど照明デザイナーを捜していたところです」。運命だと思いました。

美術館とはそもそも多様な文明や表現を俯瞰視点から収集・展示するところ。光る雲の上を空飛ぶ絨毯に乗って、作品を見てまわるようなイメージを光で表現するため、半透明の白い屋根を内側からライトアップ。自然に視線が上昇気流に乗るように上へ導かれるようにデザインしました。その後、紆余曲折と七難を乗り越えて、このビッグ・プロジェクトは5年後にフランス大統領の臨席の下、竣工。最初に見た夢のライトアップが実現したのです。美術館のオープニングのポスターに夜景が使われたのは前代未聞のことで、光の魅力が国際的プロジェクトのイメージづくりに貢献する形となったことは、大きな励みとなりました。翌年には国際的な照明デザイン賞も頂きました。

クライアント : CA2M(メス市)
プロジェクトチーム : 坂茂建築設計事務所&ジャン・ドゥ・ガスティン・アーキテクツ
期間 : 2005-2010
総工費 : 4500万€
面積 : 7 200 m2

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