ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が企画し、成功を収めたこの展覧会は、日本と密接に結びついた象徴的な衣装の歴史を振り返り、世紀と大陸を越え、今も進化し続ける「キモノ」の変遷を紹介するものです。スウェーデンにも巡回し、今回、パリ・ケ・ブランリー美術館で開催されています。美術館関係者だけでなく、展覧会に関わった全てのメンバーは、同美術館で行われた展覧会のうち、最も美しい展示の1つなのではないかと、誇りに感じています。実際、11月21日に行われたオープニングセレモニーでも、こうした好評を繰り返し耳にしました。
この展覧会の展示デザインは、3つの時代から構成されており、各時代に合わせた照明を作りました。まず、江戸時代(1600年 - 1868年)のスペースは、京都・祇園の路地を思わせる、黒い桟で縁取り、障子風の紙をあしらった展示ケースを使い、優しい光で照らしています。ジャポニスムの影響を受けた19世紀のヨーロッパは、モードの始まりであり、ブティックのショーウィンドーのような照明を作りました。現代については、白いカーテンと、より明るい雰囲気を作り、冠婚祭用の装いや、ハイブランドのコレクション(ガリアーノ、マックイーン、三宅一生など)、アーティストのコレクション(フレディ・マーキュリー、スター・ウォーズの衣装など)を引き立てました。
照度50ルクスという制約の中で、これらの貴重な歴史的なテキスタイルを柔らかな光で照らし、素晴らしい色彩だけでなく、素材、染め、織り、刺繍も際立たせるようにしました。4体のマネキンのシルエットが連なる影の演出が、来場者にサプライズ感を与える工夫は私たちのお気に入りです。
クライアント
: ケー・ブランリー美術館
プロジェクトチーム
: サンドラ・クルティーヌ
期間
: 2022-2023
総工費
: 185 K€
面積
: 700 m2