パリのガリエラ・モード美術館が企画するスペイン・シーズンの幕開けを飾る、素晴らしい展覧会の照明を担当させて頂き、ファッション・デザイナーであるバレンシアガの作品と、彫刻家ブールデルの作品をミックスした特別な展示方法にマッチする照明を実現しました。見事なレース、シルク・ベルベットの重厚感、ドレス、ボレロ、スカーフ等が、彫刻の間に配置され美術館を埋め尽くす独創的な演出。これを更に強調すべく照明を行いました。
今回の照明の目的は、勿論、作品の美しさを引き立てることでしたが、そればかりでなく、素材及び作品の本質に光を当てることが重視されました。加えて、作品が黒を多用しているため、作品保護の為に限られた明るさを守りつつ、暗さの中にも美しさを引き出すことに苦労しました。展示された素材は非常に繊細で、細心の注意を持って取扱わなくてはならないものばかりでした。