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日本の車デザインとその文化背景をフィーチャーする展覧会が、パリのラ・ヴィレット科学博物館、続いてロンドの科学博物館で開催されました。坂茂氏から、ストイックで端正な展示デザイン案を見せられたとき、既に展示業者からの提案として鈴なりにぶら下がった大型投光器から煌々と車を照らす、モーターショー式の照明計画が添付されていました。
「ナンセンスです」と即時に否定し、代わりに展示ストラクチャーに寄り添うように設置した数本の蛍光灯だけで照明する案を出しました。「車を蛍光灯で照らすなんて見たことないが大丈夫か」という関係者の懸念を押し切り、徹夜作業の後、開場2時間前に作業灯が消えたとき、そこに現れたのは書院の障子から室内に染みこむような、あの厳かな日本的な明かりの世界でした。白を大切にするグラフィックデザイナーにも納得していただける結果となりました。
クライアント
: デザイン･プラットフォーム･ジャパン
プロジェクトチーム
: 坂茂建築設計事務所
期間
: 2008
