ジャン・ヌーベル設計の国家的プロジェクトとして話題を呼んだパリのプリミティブアート専門の美術館「ケー・ブランリー」で、始めて絵画中心の特別展が開催されました。オーストラリアのアボリジニーが60年代から描いてきたタブローを、現代アートの枠組みで評価するため、会場構成には白を基調にしたニュートラルなものがデザインされました。
美術館としては異例なほど複雑に入り組んだ天井から、コンテンポラリーアート的な白い均一光を壁全体に施すのにはかなりの技術力が求められました。その上に、沈んだ褐色中心の作品を浮き上がらせるための照明を補った時、細密画の細部が目覚めて語りかけてくるような錯覚を覚え、光の威力に、改めて目を見張らされたのを今でも覚えています。
クライアント
: ケー・ブランリー美術館
プロジェクトチーム
: ディディエ・ブラン
期間
: 2012
総工費
: 49万5000€
面積
: 2 000 m2